広島県のかき生産量は全国1位です。2018年の全国の総生産量は2万9846トン(むき身)ですが、そのうち1万8708トン、つまり62.7%を広島県が占めています。第2位の岡山県の6倍以上です。
かきは2枚貝で、アサリやハマグリと同じ構造です。しかし、他の2つと違い、環境により細長くなったり、丸くなったりと殻の形が変わるという特徴があります。その為、同じかきといえども
産地により殻の大きさや身の大きさに違いが出るのです。
一般的には、殻は小さいけれど、身は殻の割には大きくぷりっとしていて濃厚な味わいとされています。
出荷は10月~5月までですが、旬の時期は年明けの1~2月です。その時期はかきの体内に、美味しさの元となるグリコーゲンが大量に蓄えられているからです。近年では夏に水揚げする夏がきなども登場し、1年中美味しいかきを食べる事が出来るようになりました。また新ブランドも続々登場しています。
広島湾には島や岬に囲まれ、波が静かで潮の流れも適度にあり、かきの生育にいい条件が揃っています。また養殖筏が安全に設置できるのも養殖場の第一条件です。
かきの生理は水温に影響されます。例えば夏の水温上昇が産卵に刺激を与え、秋の水温低下がグリコーゲンの蓄積(かきの身入り)をすすめます。水温変化もかき養殖にとって大切な条件の一つなのです。
流れ込む河川水の影響で、広島湾では梅雨時期から夏にかけて、海水中に塩分濃度の差による層ができます。これは「甘い水(=少し薄い海水)」を好むかきに有利な条件となります。
かきの大好物は植物のプランクトン。その為、プランクトンの増殖が、かき養殖の1つの鍵になります。広島湾はこの点でも大変恵まれた環境にあります。
広島かきの人気の秘密はその美味しさはもちろん、確かな安全性にもあります。広島県産のかきは県が独自に条例を定めるなど、食品衛生上の安全対策には特に力をいれています。
- 「かきを処理する作業場に関する条例」により、かき生産者や仲買業者は、設置するかき作業場について、県などの許可が義務付けられています。
- 食品衛生法による「生食用かき」の規格基準について、検査が行われ、かきの安全性の確認が行われています。さらに、定期的な海水および養殖かきの検査によってかき養殖海域の衛生状態が確認されており、広島県告示で生食用かき採取海域=「指定海域」が定められています。
- 「貝毒対策実施要領」に基づき、行政や取扱業者による貝毒検査が実施されており、毒化したかきが流通しないようになっています。
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